貴金属のリサイクル

本研究室では、貴金属のリサイクルに関する研究を行っている。
貴金属とは、一般に化学的に安定で化合物を形成しにくく、かつ地球上における存在量が少ない金属の総称である。
その中でも、金(Au)や銀(Ag)を除いた元素群は白金族金属(Platinum Group Metals: PGM)と呼ばれ、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)などが含まれる。これらの元素は、優れた触媒特性や耐食性を有することから、自動車排ガス浄化触媒や電子材料など、幅広い分野で不可欠な役割を果たしている。
しかしながら、PGMの世界年間生産量は非常に少なく、その産出は南アフリカやロシアなど一部の地域に大きく依存している。このような供給リスクに加え、近年の需要増加により資源の安定確保が重要な課題となっている。
そこで本研究室では、使用済み製品や産業廃棄物中に含まれるPGMを効率的に回収・再利用するための新規リサイクル技術の開発を目的としている。
特に従来法に比べて環境負荷が低く、高選択的かつ高効率な分離・回収プロセスの構築を目指している。

太陽光パネルのリサイクル

本研究室では、太陽電池パネルのリサイクル技術の開発に関する研究を行っている。
2012年に制定されたFIT制度により、太陽電池の導入は急速に拡大した。一方で、太陽電池パネルの製品寿命は一般に20~30年とされており、2040年頃には経年劣化などにより大量の使用済み太陽電池パネルが廃棄されることが予想されている。このような背景から、廃棄パネルの資源化や有価物の回収を含めた有効利用技術の確立が重要な課題となっている。
シリコン系太陽電池パネルは、主にガラス、樹脂材料、シリコン(Si)から構成されており、さらに銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、白金族金属、はんだ合金などの有価金属を含んでいる。これらの元素は資源的価値が高く、効率的な回収が期待されている。
そこで本研究室では、シリコン系太陽電池パネル表面に含まれる貴金属を、Siへのダメージを抑制しつつ選択的に分離・回収する新規リサイクル技術の開発を目的として、廃太陽電池パネルの高付加価値化に向けた有効利用法の検討を行っている。